わたしにふれてください

 

 「わたしにふれてください Please touch me 」はアメリカの心理カウンセラー、フィリス・K・デイヴィスの詩です。
一部使いましたが、全文紹介いたします。
難しいものではありませんが、いろいろ考えさせられる温かな詩です。
 今になってテリュースさんが被虐待児であることを知りましたが、それにしてもこれはあまりにも酷い設定だと思うのは私の思い込みでしょうか?
確かに、まちがいさがしの正解の方じゃきっと出会えなかった二人でしょう。
作者にもし会う事ができるなら、聞いてみたいくらいです。
「嫌いだったのですか?」
と。
それならかえって納得します。
それとも何か理由が…


The course of true love never did run smooth.
真の恋の道は茨の道である

William Shakespeare



 最後の扉の前の微笑みで、彼は全ての借りを返せたのでしょうか?

 


わたしにふれてください
Please touch me
   フィリス・K・デイヴィス
       訳 三砂ちずる

もしわたしが あなたの赤ちゃんなら
どうぞ、わたしにふれてください
今までわたしが、知らなかったやさしさを
あなたから もらいたい
おふろにいれてください、おむつをかえてください
おっぱいをください
ぎゅっと だきしめてください、ほほにキスしてください
わたしのからだを あたためてくれる快楽が
わたしに安心と愛を つたえてくれるのです
 
もしわたしが あなたのこどもなら
どうぞ、わたしにふれてください
いやがるかもしれないし、拒否するかもしれないけれど
何度もそうしてください
わたしがどうしていやがるかをわかってほしいから
おやすみなさい、と抱きしめるあなたの腕が
わたしの夜を甘くしてくれる
昼間にみせてくれるあなたのやさしさが
あなたの感じる真実を伝えてくれる
 
もしわたしがあなたの思春期のこどもなら
どうぞ、わたしにふれてください
もう大きくなったのだから なんていわないでください
あなたがわたしにふれるのをためらうなんて思いたくない
あなたのやさしい腕が必要です
あなたのおだやかな声をききたいのです
人生は困難なのかもしれないと わかったいま
わたしの中の小さな子どもがあなたを必要とするのです


もしわたしがあなたの友達なら
どうぞ、わたしにふれてください
あなたがだきしめてくれると
わたしはあなたにとって大切な人だとわかるから
あなたのやさしさが
おちこんでいるわたしも、かけがえのない存在であることを
思い出させてくれるから
そしてひとりではない、と思い出させてくれるから
わたしにやすらぎをくれるあなたのありよう
それだけがわたしが信じられるもの
 
もしわたしがあなたの愛の相手なら
どうぞ、わたしにふれてください
あなたは、情熱さえあれば、十分と思うかもしれない
でも、あなたの腕だけが、わたしの恐れをとかしてくれる
あなたのやさしくおだやかな指先をください
あなたにふれられて
わたしは愛されている ということを思い出すことができる
わたしはわたしなのだ、ということを思い出すことができる
 
もしわたしがあなたの大きくなった息子なら
どうぞ、わたしにふれてください
わたしには、抱きしめるべきわたしの家族はいるけれど
それでも、傷ついたときには
おかあさんとおとうさんにだきしめてほしい
おとうさん、あなたといるとすべてが違ってみえる
わたしが、大切なわたしであると思い出すことができる
 
もしわたしがあなたの年老いた父親なら
どうぞ、わたしにふれてください
あなたが小さかったときに
わたしがあなたにふれたと同じように
わたしの手をにぎり、わたしのそばにすわって
わたしを力づけてください
わたしの疲れた体によりそい、あたためてください
わたしは随分しわくちゃになってしまったけれど
あなたのやさしさに力づけられる
どうぞ、何も恐れないで
ただ、わたしにふれてください

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