• あとがき
     作者の狙いなのでしょうが、作品が曖昧で、物語の隙間が多く、読者の想像で埋めていかないと作品が完成していきません。あえて埋めないで余韻を楽しむという方法もあるかもしれませんが…。  私の中で膨らんだ想像を書いてみましたが、あくまでも私の視点からの物語の補完であって、もしかしたらもっと童話的に考えたらあの人はアルバートさんになるかもしれないし、また別の視点から捉えるとまた違う人になるのかもしれません...
  • 長い物語の序章 外伝 千夜一夜物語
     長い一日だった。午前中に式を挙げ、ささやかなパーティー、シカゴまで移動。ホテルに一泊して、明日には列車でニューヨークに向かわなくてはならない。昨日はあまり眠れなかったので、さすがのキャンディもヘトヘトであった。 いつものように聖書の一節を読み終え、手を組んでお祈りを始めた。(愛する天の父なる神様、今日の一日の恵みに感謝いたします。……………………この祈りをお捧げいたします。アーメン)十字を切ると背後から...
  • 長い物語の序章  天の贈り物(2)
      再び仕事に取り掛かっていると、扉をノックする音が聞こえた。「話があるんだ、いいかい?」テリィの声だ。「どうぞ、入って。」机の上には支援者への礼状が高く積まれていた。「たくさんの手紙だな。」「支援者の方々に礼状は欠かせないわ。 レディのマナーね。」宛名リストが置いてあり、彼はそれを見ながら、「ふん、男が多いんだな。 まあきみは美しいアードレー家のお嬢様だからな。」とリストを指で弾くと、プイッと窓...
  • 長い物語の序章  天の贈り物(1)
      日曜日の礼拝の後、改めて先生方にキャンディとテリィは婚約のことを告げた。 先生方は確かに知っていたはずなのだが、まるで初めて報告を受けたように喜び、二人を祝福をした。そしてまたチャペルに戻り、長い長いお祈りを捧げていた。 その日の午後、キャンディは昨日の続きで支援者へ基金設立の礼状を書いていた。明日郵便局に持って行き、投函するのだ。 診療所での引き継ぎ、それを終えたらシカゴに結婚の承諾をお願い...
  • 長い物語の序章  重ねて(2)
    「俺は若い時、何回も喧嘩をしたことはあるが、背後から襲撃を受けたのは初めてだ。」 子供達が寝静まった頃、ポニーの家の居間でテリィが後頭部を押さえて笑いながら言った。「きみへのプロポーズはいつも邪魔される運命なのかと不安になったよ。 だからさ、今のうちに返事聞かせてくれないか? きみの名前も正しくフルネームで言えただろ?」さっきの真摯な眼差しと異なり、得意そうにニヤニヤしてこちらを見ていた。目を丸く...